あがり症と自己肯定感の低さの関係について。薬で治ること、治らないこと

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今回は私が約20年間悩まされている「あがり症」(社交不安障害)について、自分の経験から原因や治療方法などお話ししていきます。

あがり症とは?あがり症になってしまう原因

例えば、他人の前での失敗経験などをきっかけに、人前で症状が出ることを極度に恐れ、他者の目の前で極度の緊張にさいなまれる。 思春期にはよく見られ、軽いものは自然に治ってしまう。 一方で、社会生活に支障をきたすほど不安が高まってしまう場合、神経症として治療が必要である。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

多くの場合、あがり症(社交不安障害)は失敗経験をきっかけに発症します。

あがり症を発症すると、人前に出ることや複数の人との会話などが苦痛になります。

私は中学生からあがり症ですが、それまでは人前で話すことに問題はありませんでした。中学に入り、人間関係のいざこざから自分への自信を失い、気付いたらクラス内での発表やプレゼンなどができなくなっていました。

人前で話そうとすると以下のような症状がでます。

  • 顔の筋肉がこわばる。自分の意思に反してピクピクと痙攣する。
  • 頭が真っ白になり、焦りで何も話せなくなる。
  • 無理に話そうとすると、挙動不審になる。
  • 顔が赤くなったり、冷や汗をかいたりする。
  • 何も分からなくなって涙が出る。

私はこの症状で何度も大勢の前で恥をかき、自己嫌悪と悔しさにより長年辛い思いをしていました。

あがり症はおまじないでは治らない

 

よく、「緊張は誰でもするから大丈夫」とか「深呼吸をしてみよう」とか言われますが、そんなので治る訳がありません。多少の努力で治る緊張は、あがり症とは言えません。

あがり症で苦しんでいる人のほとんどが、日々の個人的な努力では解決しないから悩んでいるのです。

しかも、数をこなせばできるようになるかと言われたらそうでもありません。毎回毎回、残念ながら激しく緊張します。

「友達や同僚は緊張しながらもスピーチやプレゼンを普通に行えているのに、どうして自分はできないんだろう。」

そんな風に思い、さらに自分の不甲斐なさに悲しくなるという、負のループが起こるのです。

おまじないや励ましの言葉は全く効果がありません。

薬を飲めば98%問題なく生活できる

すでに服薬している方もいるかと思いますが、あがり症の最も有効で迅速な解決方法は心療内科に行き、薬をもらうことです。

私は学生のころ恥ずかしい思いをしたことで耐えられなくなり、心療内科にかけ込みました。

ひどいあがり症だったので長期的に症状を改善する薬と、プレゼンや面接などの緊張を伴うイベントの直前に飲んで緊張を和らげる頓服薬を処方されました。

この2種類の薬によってあがり症はそこそこ改善され、人並みの生活ができるようになりました。

最近は社交不安障害やうつ病の方が年齢に関わらず増えており、副作用のほとんどでない薬も多くあります。

効き目や副作用の有無などは薬との相性なので、人によってどの薬が合うかは違ってきます。

いくつか試して見ることも可能なので、自分に合った薬を服用しましょう。

あがり症は自己肯定感が低いと完治しない

あがり症は薬で大幅に改善します。改善したら薬の服用を止めてもいいし、心配であれば飲み続けても医師の指示に従っていれば問題ありません。あがり症の90%〜98%は薬で解決できると私は思っています。

ただし、どんなに薬を飲んでも残りの2%〜10%は薬で治すことはできません。

自分のその日のコンディションや気持ちの持ち用によっては、薬を飲んでいても自信がなくなることもあります。以前のような酷い失敗はしませんが、上手く話せなかったり、緊張で声が震えてしまうなんてことも時々あります。

これは自分の性格が原因だと考えていて、自己肯定感が低い人はあがり症の完治は難しいのではないかと思っています。

自己肯定感が低い人の特徴として、「自分のことが嫌い」「自分の発言に自信がない」というベースの性格があります。

練習が自分的に十分でないときや、自分の意見に自信がないときは、緊張がいつもより増しているせいか薬を飲んでいても緊張します。

「多少の緊張はあがり症でない人もする」というのを思い出して、これは受け入れるしかないと思いましょう。

もしくは薬を増やすこともできますが、何事もバランスです。増やしすぎず、自分で頑張れる(緊張しても対処はできる)ところを見つけることも大切かと思います。

自己肯定感の低さは改善するのが難しい

ここまで、自己肯定感が低いとあがり症は完治しないという話をしました。

では自己肯定感は高くすることができるのでしょうか?

タイトルに書いてしまっていますが、自己肯定感の低い性格を変えるのは相当難しいです。

良いことがあったり、褒められたりしたときに一時的にポジティブな気分になることはありますが、根本的な性格を直すことほど難しいことはありません。

自己肯定感の低い性格の人は、自分嫌いな性格を受け入れ、少しでも自分を好きになれる努力をしましょう。

個人的に効果があったと感じるのは、身体を動かすことです。汗をかくとすっきりして達成感を味わえるため、自己否定をしないようになります。まだ試していない方は、スポーツや筋トレを週1から始めたり、外に出て太陽の光を浴びて見てください。

まとめ

あがり症は完治が難しい病気です。ただし、薬で8〜9割治すことはできます。

辛い思いをして生活をするよりは今を楽しく生きたい!という方は、心療内科にまずは相談することをおすすめします。

用量・用法を守って医師の指示に従い服薬すれば、正しく治療することができます。

プレゼン・発表は会社や学校で避けられないものだからこそ、治療が上手くいくと人生が楽しくなりますよ。

 

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