筆者は実は絶望的なあがり症で、現在もなお治療中なのです。
あがり症とは?(対人恐怖症)
例えば、他人の前での失敗経験などをきっかけに、人前で症状が出ることを極度に恐れ、他者の目の前で極度の緊張にさいなまれる。 思春期にはよく見られ、軽いものは自然に治ってしまう。 一方で、社会生活に支障をきたすほど不安が高まってしまう場合、神経症として治療が必要である。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
多くの場合、あがり症(社交不安障害)は失敗経験をきっかけに発症します。あがり症になると、人前に出ることが極端に苦痛になってしまいます。
私がまともに「発表」ができたのは、小学生まででした。中学に入りクラスの中心人物と関係が悪くなったことがきっかけで、周囲が敵に感じられ人前で話すと緊張するようになりました。当時の症状としては、声が震える・顔の筋肉が痙攣するなどです。
高校時代が最も酷い時期で、仲のいいメンバー4人で話すときでさえ緊張して自分が何を言っているかわからなくなっていました。
そもそもあなたは「あがり症」なのか
あなたは誰かの前で話すときにこのような症状が起きていますか?
あがり症の主な症状
- 自分に注目が集まると急に心拍数が上がる。
- 大勢の前での自己紹介やプレゼンが嫌で、会社や学校を休みたくなる。
- 人前で話す時、宙に浮いているような感覚となり自分が何を言おうとしていたか忘れる。
- 話す直前の鼓動や冷や汗、赤面で悩んでいる。
- 緊張を隠そうとしていても、顔の痙攣や手の震えが止まらない。
- イライラを止める市販薬を試したが、ほとんど効かない。
私は上記全てに当てはまり、高校を卒業するときに「このまま大学生になるのは無理だ」と悟り、意を決して心療内科に行きました。社交不安障害と診断されました。
また、この状態は放置するとさらに失敗経験を重ねて自己嫌悪や自己否定をしてしまい、最終的には鬱病になると言われました。
「あがり症」は薬で治せるのか。効く薬は?
カウンセリングやアンケート、血液検査などを経て社交不安障害と診断され、私が最初に服用していた薬は大きく分けて2種類ありました。
一つ目は、「デプロメール」です。不安や憂鬱な気分を長期的な目線で改善する効果があり、うつ病や社会不安障害の人向けの薬です。私は量を調整しながら25mg〜75mgほどを約1年間飲んでいました。結果的には、全体的に普段の生活がしやすくなり、少人数(2〜6人程度)で話すときに感じていた緊張感はほとんどなくなりました。
もう一つは、「リボトリール」と「ミケラン」という薬です。「リボトリール」は脳の興奮をしずめ、てんかんや痙攣系の発作を抑えてくれる効果があり、「ミケラン」は心臓の鼓動をしずめてくれます。これらの薬は頓服用で、スピーチやプレゼンの予定が分かっている場合、その30分〜1時間前に飲むと緊張せずスムーズに話せるようになる薬です。副作用もなく今でも時々助けられています。
あがり症を完全に治そうという場合、薬だけでなく定期的なカウンセリングや認知行動療法と行った積極的な治療を受けることが大切です。私は服薬と、カラオケや大学の授業でのプレゼン実施、いわゆる”実践”を通して少しずつ慣れていく努力をしました。
しかし、絶望的にあがり症で悲惨な思い出しかなかった過去の自分よりは大分マシになりましたが、5年以上経った今でもまだ一部の薬は必須です。完治はしていません。
心療内科に行くのは一つの選択肢
人によってはあがり症を薬で治療することや、そもそも心療内科へいくことをためらっている方もいるでしょう。筆者も初めて心療内科に行ったときは勇気が必要でしたが、今では当然のように病院に行きます。最近は心に病を抱えている人は増えており、「あがり症」であることを恥ずかしがる必要もありません。
会社で普通にスピーチをしている人や大学の授業で発表が上手な人なども、実は病院に行っていたり薬を服用することで気持ちを落ち着けている人もたくさんいます。公表していないだけです。
ただ、薬の副作用が強すぎたり、どうしても自分自身の力だけで治したいという方は無理に病院に行く必要もないです。通院するか悩んでる方が、少しでも前向きに検討できればと思いこの記事を書かせていただきました。
色々な事を気にしてしまう優しい人や繊細な人はうつ系の病にかかりやすいので、無理せず誰かに相談してみてください。少しでも気楽に生活できるようになることを祈っています。